習慣少年ダイアリー

マンガのこと7~8割 自身のこと2~3割

コンプレックス・エイジ について

好きなマンガを紹介するブログです。
13作目はこちら、

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[コンプレックス・エイジ]です。

26歳の派遣社員・片浦渚にとって、“コスプレ”は趣味以上の人生の全てになっていた。
実在するような衣装を自分で仕立て上げ、実在以上の存在感をキャラと共に自分に宿す。
しかし、自分以上に“2次元の近く”にいるコスプレイヤーの出現、身長、他人に話せない秘密、職場の人間関係、そして年齢への悩み。
好きだからこそ中途半端を許せない、趣味に葛藤する物語。

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「好きは呪いだ」

僕はこのセリフがこのマンガの全てを表していると思います。
コスプレだけじゃなく、好きなものに対しての憧れ、潔癖、求める完璧さは誰しもがそれぞれのハードルがあって、そのハードルが高い人程、好きであれば好きであるほど苦しみもあると思います。

全6巻ながら、打ち込み懸けた人生の全てと共に生きる苦しみも楽しみも詰まっているマンガです。
ぜひ読んでみて下さい。

サイコろまんちか について

好きなマンガを紹介するブログです。
12作目はこちら、

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[サイコろまんちか]です。
友達のいない変な女の子・伊東が心理学研究部を立ち上げ、恋も部活も心理学の力で解決するコメディ。

全3巻で打ち切りになってしまったとはいえ、とても面白いマンガです。
あえて全3巻で打ち切りという情報を出すことで、“アンダードッグ効果(不利な状況に同情票が集まる事)”と“ゲイン効果(思ってたより良かったというギャップを狙う効果)”が見込めますね。

このように、[サイコろまんちか]には様々な心理学用語が出てきます。
フット・イン・ザ・ドア
バランス理論
学習性無力感
サンクコスト効果
基本的帰属の錯誤
セルフハンディキャッピング

さらには、人間の心理を探る“スタンフォード監獄実験”など実際に行われた恐ろしい実験なども取り上げられます。
覗いてはいけない、しかし知りたい知ってみたい分野が心理学の実験ですよね。皆様人間である以上少なからず興味があると思います。このマンガはそれを面白おかしく教えてくれるマンガです。
重要なのは、面白おかしくという所。コメディが主であるこのマンガは、心理学を振りに使うギャグがとても面白いです。有名作品のパロディもたくさんありますし、きっと気に入ってもらえると思います。

CLOTH ROAD について

好きなマンガを紹介するブログです。
11作目はこちら、

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[CLOTH ROAD]です。

ナノテクノロジーが発達した時代で基板が布に織り込まれた服で戦う“モデル”達を描いたファッションバトルマンガ。
タイトルの[CLOTH ROAD]は“布の道”と“十字路”のダブルミーニングなんですね。

このマンガのとてもすごい所は、糸の一本一本まで丁寧に描かれた作画で描かれるトップモデル達のコスチュームの素晴らしさ。

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とても綺麗ですよね。実際にコスプレしてもとても映える衣装だと思います。写真では良さが伝えきれませんが、コミックスの表紙・見開き・イラスト全て緻密に描き込まれています。
服を変形させて戦うバトルシーンも躍動感と迫力があります。
モデルの姉と仕立て屋の弟二人が進む花道。
全11巻の中に星を巻き込む壮大な運命と、モデル達のプライド、強敵達とのバトル。読みごたえがある要素が詰まった珠玉の作品です。
良ければ読んでみて下さい。

ベイビー・ワールドエンド について

好きなマンガをオススメするブログです。
10作目はこちら、

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[ベイビー・ワールドエンド]です。

恋する女の子・ゆー子ちゃんの友達はいつも飼い犬のポチだけでした。ゆー子ちゃんはポチが大好きで、ポチもゆー子ちゃんが“大好き”でした。

「僕が人間だったなら」ポチはいつも想っていました。

星が満天の夏祭りの日、ゆー子ちゃんは好きな男の子に誘われ、恋心を弾ませながら楽しみますが、その男の子は悪い先輩との付き合いがありゆー子ちゃんは騙されて乱暴されそうになります。
ポチはゆー子ちゃんを守る為果敢に戦いますが、負けて瀕死の状態になってしまいます。
好きな男の子に騙され、ポチが酷い姿になり、ゆー子ちゃんは綺麗な星空に願います。

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ゆー子ちゃんから無数の雷が世界に落とされ、その日世界は終わりました。
崩れゆく世界を見ながら、再度ポチは願います。

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この物語は、世界を終わらせた“星の女王”ゆー子ちゃんと、人間になったポチの終末に奏でられるラブソング。
荒廃した街と星空を舞台にしたどこか綺麗な砕けた世界でギターを背負い歩くポチはとても健気だ。

この作品のテーマソングとして、終始歌われるTHE BLUE HEARTSの『リンダリンダ』を知っているとより楽しめるでしょう。
一人の女の子に捧げられる純粋で真っ直ぐなラブソング。

ちなみにこのマンガで“世界の終わり”を描く堀内厚徳先生は、後にバンドの 『SEKAI NO OWARI』もマンガにしてます。
ぜひともお読み下さい。

めだかボックス について

お久しぶりです。好きなマンガを紹介するブログです。
9作目はこちら、

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[めだかボックス]です。

このマンガは僕の好きなマンガランキングベスト10に一生入り続ける、何度読み返しても面白いマンガです。
[化物語]の西尾維新先生原作のこのマンガ、西尾維新の真骨頂その①『戯言使い』とでも言うべき、西尾イズムな台詞回しがふんだんに詰め込まれたとても濃い作品となっております。
作画の暁月あきら先生の千差百万別な個性的なキャラクターの描き分けもとても見事です。

普通(ノーマル)、特別(スペシャル)、異常(アブノーマル)、過負荷(マイナス)といった、奇人変人秀才天才がはびこる箱庭学園で生徒会長を努める・黒神めだか
フルマラソンを2時間フラットで走り、関数計算を暗算でする彼女は「見知らぬ他人の役に立つ為生まれてきた」と豪語し、今日も絢爛業火に燃え盛る。

どんなマンガか?学園青春ラブコメ厨二言語バトルマンガといえばいいでしょうか。他のどのマンガにも、似てるマンガがないんですよね。

生徒会長の黒神めだかが学園の悩みを解決していく毎に、異常な生徒達や異様なしがらみとの戦いに巻き込まれていく--
そんなマンガです。最初は違う感じで始まって、途中からバトルマンガになるパターンはジャンプでよくある感じですよね。
このマンガはそのよくあるを“あえて”やったんじゃないか、というほどメタ要素がたくさん出てきます。
とあるキャラクターが「アニメが始まる前にこの漫画を終わらせてやる」と作中で言ってしまうほど。
それが気持ち良いほどハマるんですよ。

さらに、原作者である西尾維新先生が「このマンガは上手いこと言った側が勝ちます」とインタビューで話すように、巧みに企み、妖しげに綾なすセリフの数々は日本語や言葉が好きな人を虜にするでしょう。

そんな箱庭学園のキャラクター達もとても魅力的です。

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彼は球磨川 禊(くまがわ みそぎ)。過負荷(マイナス)と呼ばれるグループに所属する、全人類に負けている男です。
悪影響しか与えず、他人の足を引っ張り、悪を悪びれず行い、「僕は悪くない」とのたまう男。
悪のカリスマと呼ばれるキャラクターは様々なマンガに登場しますが、彼も根強い人気を誇ります。

さらにこちらは、安心院さん、

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さきほどの「アニメが始まる前にこのマンガを終わらせてやる」宣言の方です。
パワーインフレが行き過ぎて、地球史前から生きすぎて1京のスキルを持っています。
戦闘力530000どころの騒ぎじゃないですね。

カルピスの原液どころかウォッカのボトルほど濃いキャラクター達が暴れ回るこのマンガ、
そうです、最大の魅力はやはり

キャラクター(人となり)だと思うのです。

100人以上の濃いキャラクターが出るこのマンガで、内面がないがしろにされてる人物は一人もいません。
それぞれの思想、理想、感情、勘定がちゃんと描かれています。
好きなキャラクターが必ず見つかると断言出来るマンガです。

ぜひとも読んでみて下さい。

失踪宣言 について

好きなマンガをどんどんオススメしていきます。
8作目はこちら、

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[失踪宣言]です。

作者の黒川依さんはネット上で発表していた作品、[ひとり暮らしのOLを描きました]でも話題を集めた方です。

24歳OLの坂本あゆみは生真面目だが友人も恋人もおらず、毎日仕事をし何も無い家に帰りご飯を食べて寝るだけの生活に限界が見え、今の生活圏から失踪する事を決める。

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同窓会で、仕事をしてるだけの毎日である事を報告した際に、「それって楽しい?」と言われた事を思い出し激昂するこのシーンは、【このマンガがすごい!2019】の【このシーンがすごい!】にも選ばれています。
可愛いらしい絵柄とは裏腹に主人公は一度も笑顔を見せません。
「何で私はいつもこうなんだろう……思えばずっとそんな人生だったな」と悩み悔やみ哀れむ毎日。
刺さる言葉や緩やかに存在ごと消えていくような日常が多数描かれます。

貴方も「ここじゃない何処かへ行きたい」と思った事があるのでは?
“ここじゃない何処か”へ行く方法を暗中模索するマンガです。
仕事を辞め、SNSを絶ち、新しい住まい・生活を手に入れた先に何が待っているのか。
これはエンタテインメントでもエッセイでも無い作品ですが“今を嘆く誰かの未来”が描かれたマンガでもあります。

一人の人生の再スタートの成れの果てをぜひ読んでみて下さい。

星明かりグラフィクス について

好きなマンガをオススメしていきます。
7作目はこちら、

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[星明かりグラフィクス]です。

芸大に通う2年生女子の二人に焦点を当てたマンガ。
才能は無いがコミュ力に全振りで「芸大は本当に才能ある人間とのコネを探す所」と豪語する園部明里と、才能はピカイチだがコミュ力0の潔癖で変人である吉持星とのデザイナーになる為コンビを組む二人の青春。
作者の山本和音さんはこの作品が初コミックスだそうです。すごい才能。

実はこの作品、3巻で完結という短さ。「もっと読みたかった」というのが本音ですが、決して打ち切られて終わったわけではないと思います。それほどまでにドラマチックな終わり方をする作品なので。
話の短さは、二人の出会った芸大で流れる青春の短さを表してるのではないでしょうか。

この作品の何がすごいか。最初は吉持のとてつもない才能・変人ぷり、才能を持った他の人物との出会いによって悔しがる吉持が中心に描かれ、明里はそれを補佐する司令官のような動き方をします。
しかし物語が進み、吉持が自分に無いものを得ようと悪戦苦闘しながらも“二人の為に”努力し吸収し成長する様を見て、


明里は焦ります。


果たして私はこの才能の塊に置いていかれないだろうか

吉持に離れられたら私には何が残るのか

才能の無い私に

そして、吉持の為だという建前で吉持の周りの人間を引き剥がそうと画策します。

この作品は、“才能と人脈”をキーワードにずっと描かれ続けます。
才能の為のワガママ
人脈の為のエゴ

二人はコンビ以上の友達に、唯一無二の存在に“なってしまいます”。
そうなってしまったら“利益の為に割り切る仕事上のパートナー”には戻れません。
青春の綺麗な部分だけじゃない、打算も焦燥も諦め
もモブも見放しも憎しみもドロッドロの部分も詰め込んだ短い青春をぜひとも読んでみて下さい。

[星明かりグラフィクス]は刺さる表現だけでなくセリフ回しも面白く、きっと気に入ってもらえると思います。