習慣少年ダイアリー

マンガのこと7~8割 自身のこと2~3割

くにはちぶ について

完結したものだけじゃなく、連載中の気になってるマンガも書いていきます。
4作目はこちら、

f:id:tsujikun32:20190217114631j:plain

[くにはちぶ]です。

村八分(制裁を加える為特定の人物の交際を共同で絶縁する)という言葉がありますが、このマンガはそれが法律として施行されます。

明るく友達も多い中学2年生の少女・道端たんぽぽ は、ある日突然、近年出来た法律"無作為選出対象者無視法"通称・国八分法の対象者になります。
それは対象者を1年間、日本国民全員が無視するという法律です。
何故こんな法律が施行されたのか?それは、いじめがはびこる世の中で、いじめ被害者の気持ちを誰もが平等に味わうことでいじめによる自殺をなくす為なのです。
いわば、たった一人を使った日本国民全員の命の授業。

クラスメイト達も道端たんぽぽが対象者に選ばれた瞬間、ある種冗談のような空気を呑み込めずに笑ってしまいます。「法律?無視?今まで友達だったのに?w
」しかし、
これはいじめじゃない、法律なのです。
対象者に話しかけたりした違反者は未成年であろうと逮捕されます。この法律が施行されるのは“対象者以外”の全ての国民なのです。

クラスメイトが逮捕されていく事実に、ようやく周りも友情より法律を守るようになります。
そして家族ですらも。
母親が夕食を作ってあげても違反です。監視員の目と、どこから見てるかわからない監視カメラが見逃しません。

それでも我が子を守りたい母親と、1年後対象者から外れた我が子の帰る場所を守って待っていてあげたい父親、どちらも我が子を想う気持ちは同じなのに家庭もどんどん憔悴していきます。

このマンガの恐ろしい所は、僕はこの法律を有り得ると思ってしまいました。
僕は政治について詳しくありませんが、大人の薄っぺらくても正当な筋が通ってしまえば、住む国民はその主張が歪んでいても従うしかないのです。

もちろん対象者が犯罪を犯す事は普通にダメです。なので無視されるからといって強盗無双などは出来ません。
逃れる方法は対象者から外れるまでの期間海外に行くくらいですが、中学生が、誰の助けも借りれず、一人で?実行出来ると思えないし、何よりこの状況でそこまでして生きたいと思えるか。

ドロッとした絵柄で描かれる、新法律サスペンスの中でも秀逸なこの作品。ぜひとも皆さんも読んでみて下さい。