習慣少年ダイアリー

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星明かりグラフィクス について

好きなマンガをオススメしていきます。
7作目はこちら、

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[星明かりグラフィクス]です。

芸大に通う2年生女子の二人に焦点を当てたマンガ。
才能は無いがコミュ力に全振りで「芸大は本当に才能ある人間とのコネを探す所」と豪語する園部明里と、才能はピカイチだがコミュ力0の潔癖で変人である吉持星とのデザイナーになる為コンビを組む二人の青春。
作者の山本和音さんはこの作品が初コミックスだそうです。すごい才能。

実はこの作品、3巻で完結という短さ。「もっと読みたかった」というのが本音ですが、決して打ち切られて終わったわけではないと思います。それほどまでにドラマチックな終わり方をする作品なので。
話の短さは、二人の出会った芸大で流れる青春の短さを表してるのではないでしょうか。

この作品の何がすごいか。最初は吉持のとてつもない才能・変人ぷり、才能を持った他の人物との出会いによって悔しがる吉持が中心に描かれ、明里はそれを補佐する司令官のような動き方をします。
しかし物語が進み、吉持が自分に無いものを得ようと悪戦苦闘しながらも“二人の為に”努力し吸収し成長する様を見て、


明里は焦ります。


果たして私はこの才能の塊に置いていかれないだろうか

吉持に離れられたら私には何が残るのか

才能の無い私に

そして、吉持の為だという建前で吉持の周りの人間を引き剥がそうと画策します。

この作品は、“才能と人脈”をキーワードにずっと描かれ続けます。
才能の為のワガママ
人脈の為のエゴ

二人はコンビ以上の友達に、唯一無二の存在に“なってしまいます”。
そうなってしまったら“利益の為に割り切る仕事上のパートナー”には戻れません。
青春の綺麗な部分だけじゃない、打算も焦燥も諦め
もモブも見放しも憎しみもドロッドロの部分も詰め込んだ短い青春をぜひとも読んでみて下さい。

[星明かりグラフィクス]は刺さる表現だけでなくセリフ回しも面白く、きっと気に入ってもらえると思います。