失踪宣言 について
好きなマンガをどんどんオススメしていきます。
8作目はこちら、
[失踪宣言]です。
作者の黒川依さんはネット上で発表していた作品、[ひとり暮らしのOLを描きました]でも話題を集めた方です。
24歳OLの坂本あゆみは生真面目だが友人も恋人もおらず、毎日仕事をし何も無い家に帰りご飯を食べて寝るだけの生活に限界が見え、今の生活圏から失踪する事を決める。
同窓会で、仕事をしてるだけの毎日である事を報告した際に、「それって楽しい?」と言われた事を思い出し激昂するこのシーンは、【このマンガがすごい!2019】の【このシーンがすごい!】にも選ばれています。
可愛いらしい絵柄とは裏腹に主人公は一度も笑顔を見せません。
「何で私はいつもこうなんだろう……思えばずっとそんな人生だったな」と悩み悔やみ哀れむ毎日。
刺さる言葉や緩やかに存在ごと消えていくような日常が多数描かれます。
貴方も「ここじゃない何処かへ行きたい」と思った事があるのでは?
“ここじゃない何処か”へ行く方法を暗中模索するマンガです。
仕事を辞め、SNSを絶ち、新しい住まい・生活を手に入れた先に何が待っているのか。
これはエンタテインメントでもエッセイでも無い作品ですが“今を嘆く誰かの未来”が描かれたマンガでもあります。
一人の人生の再スタートの成れの果てをぜひ読んでみて下さい。