習慣少年ダイアリー

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ジブリとキン肉マン

本日、ジブリが作品の場面提供を開始し、「常識の範囲内であれば自由に使用OK」と発表しました。「太っ腹」と喜ぶ感想が多く、もちろん僕もうれしい。

画像の使用を解禁した理由は発表されてないけど、過去の記事では「作品の権利を守ろうとした結果、作品の寿命が短くなってしまう恐れがある」「作品を支えてくれた皆へ恩返しがしたい」とジブリ側が答えていた事もあるらしく、おそらくSNS社会に合わせて皆が喜んでくれるならという決断じゃないか。

このタイミングでのジブリの発表は、どうしても先日の『キン肉マン騒動』と比べてしまう自分がいる。

キン肉マン騒動』とは、先日[キン肉マン]作者のゆでたまご嶋田先生が、Twitterに上がるスクショネタバレに言及し、最終的に「スクショネタバレは法的措置を取る可能性があります。ネタバレに関しては文章についてもです。」の声明が広がり、Twitterの読者がシーンとなってしまった件です。ざっくりと省略しましたが、この件は正直僕よりも詳しく解説してる方がいっぱいいらっしゃったので、知らなかったから詳しく知りたい方は、他の方の記事を読んでみてもいいと思います。

この件で大事なのは

・「スクショは著作権違反」に関しては読者は大人しく受け入れ言うことを聞いた事

・「web読者よりも紙の読者の方が大事」に聞こえてしまうような発言があった事

・ネタバレと感想の定義が曖昧なまま、“法的措置”というパワーワードが広まってしまった事

そして、

・読者は皆、[キン肉マン]が大好きだったから毎週盛り上がっていた事

だと思います。

僕はこの騒動の時に「作者さんの意向が全てだと思う」とツイートしましたが、本音を言うと、「正しい事を言ってるけど、言い方が良くなかったんじゃないかな」と思いました。嶋田先生のそれ以降の発言が今までずっとずっと応援してくれてた読者の方々をバッサリ切って捨てるような言い方に聞こえてしまったからです。

漫画家さんが作品を産み出す苦労は相当凄まじいものだと認識はしていますので、血の滲むような労力で産み出している作品が、簡単に消費されるように映ってしまったのでしょうし、今まで溜まりに溜まった怒りや鬱憤を思わず感情的に言葉にしてしまったのかもしれません。

それでも解禁したジブリと、禁止した[キン肉マン]、どちらが正しいとかは別に無いと思います。「作者さんの意向が全てだと思う」のは、今も変わっていません。

だけど、「どちらが今の時代に合っているか」はやはり考えてしまいます。僕がマンガの感想を呟き続けるのは、この情報過多の時代で、面白いのに埋もれてしまっているマンガを皆さんに知ってもらいたいからでもありますし、「知ってもらう」というのはめちゃくちゃ大事なことだと思います。

Twitterのトレンドに上がれば多くの人の目に留まりますし、新規のお客さんが入ってくる可能性も高いです。トレンドに入る為には、多くの人に感想を呟いてもらう必要がある。

いや、戦略的なことは僕なんかが口を出すことではないのですが、でもやっぱり、一読者として少し悲しかったのは事実です。

だからといって「時代に合わせて著作権を緩和した方がいい。作者さんもスクショを上げてもらった方が得」とは全く思いません。

作者さん達が「スクショや画像の使用歓迎です!」と公表したり、Twitterに「~~~の話」と内容を簡易的に表したタイトルで丸々1話アップするのだって、もしかしたら本当は『生き残る為にやむを得ず身を切っている』行為なのかもしれません。情報過多の時代で、「まず生き残る」に皆さん必死なはず。

だから、嶋田先生が一時の感情に呑まれて言ったのでないのならば、読者としてはそれを聞くまでです。それを聞いて応援する人は応援し続けますし、離れる人は離れる。それだけの話。

でもやっぱり、今からでも先生、編集部さん、読者全員が落ち着ける着地点は無いものかと考えてしまいます。