習慣少年ダイアリー

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月曜日の友達 について

好きなマンガをどんどんオススメしていきます。
5作目はこちら、

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[月曜日の友達]です。
このマンガがすごい!2018】のオトコ編第4位にも選ばれたこのマンガ。
ちなみに作者・阿部共実さんの著書[ちーちゃんはちょっと足りない]は【このマンガがすごい!2015】のオンナ編第1位に選ばれてます。[ちーちゃん]についてはまた別記事で。

学校に所属してる事、大人になる事に違和感と不自由を感じる中学生の女の子・水谷と、無口で不思議な同級生の男の子・月野が出会うガールミーツボーイな物語。

「毎週月曜日に俺の超能力の訓練を手伝ってくれ。約束だよ。」
夜の校庭に忍び込んで超能力の訓練をしている月野を見つけ、話しかけてしまったが故に、水谷は灰色だった世界に唯一の色がつく景色を見つけます。

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阿部共実先生の作品に共通する魅力の一つが、詩的な文表現です。羅列される情報、無機質な語群が寂しげな世界でのモノローグに情緒を産み出しています。

灰色の校舎でのモノローグなど、「周りにどれだけ人がいても、私のこの感覚を理解出来る人は一人もいないのだろう」という気持ちの表現が上手い作家さんです。

また、作画に関しても光や水面を描くのがとても上手い方で、夜の校舎と音の無い水谷の世界に射す月野の煌めきを丁寧に描き込んでいます。

嫌いだった月曜日が、たった一つの約束で待ち遠しくなる。
これは恋愛の話でもなく、友情と呼ぶにも短い話かもしれません。
これから先二人は大人になり、仕事を得て、結婚もし、家庭を築き、別々の道を別々の地で歩んでいきます。
この月曜日の思い出も記憶と共に薄れていくのでしょう。どれだけ忘れないと誓っても、忘れたくないと想っても。

「月野だけは大人にならないでくれ」

ようやく見つけたのに"子供"である私を置き去りにしないでくれ。この永遠から抜け出さないでくれ。水谷の悲痛にこぼれ落ちた言葉は、十代の同じ気持ちを持つ子供達、そして大人にならざるを得なかった人達に刺さると思います。

[月曜日の友達]は、誰かの宝物になるような、オルゴールにでも大切に閉じ込めておきたい物語です。

そして、amazarashiというバンドが歌う[月曜日]という曲は、このマンガを読んだボーカルの秋田ひろむさんがこのマンガの為だけに書きあげた、水谷と月野の世界を閉じ込めた楽曲になっております。
ぜひ[月曜日]も聴きながら、[月曜日の友達]を読んでみて下さい。